巻1−6  雑歌   作者: 額田王


  
項目 内容
原文 冬木成 春去来者 不喧有之 鳥毛来鳴奴 不開有之 花毛佐家礼抒 山乎茂 入而毛不取 草深 執手母不見 秋山乃 木葉乎見而者 黄葉乎婆 取而曽思努布 青乎者 置而曽歎久 曽許之恨之 秋山吾者
訓読 冬こもり 春さり来れば 鳴かざりし 鳥も来鳴きぬ 咲かざりし 花も咲けれど 山を茂み 入りても取らず 草深み 取りても見ず 秋山の 木の葉を見ては 黄葉をば 取りてぞしのぶ 青きをば 置きてぞ嘆く そこし恨めし 秋山われは
仮名 ふゆこもり はるさりくれば なかざりし とりもきなきぬ さかざりし はなもさけれど やまをしみ いりてもとらず くさふかみ とりてもみず あきやまの このはをみては もみちをば とりてぞしのふ あをきをば おきてぞなげく そこしうらめし あきやまわれは
参考 ・天智天皇が春の山に花が咲いている時と、秋の山が紅葉している時のどちらが良いか競わせた時、額田王が歌で判断した時の歌。
解釈