巻1−25  雑歌   作者: 天武天皇


  
項目 内容
原文 三吉野之 耳我嶺尓 時無曽 雪者落家留 間無曽 雨者零計類 其雪乃 時無如 其雨乃 間無如 隈毛不落 念乍叙来 其山道乎
訓読 み吉野の 耳我の嶺に 時なくぞ 雪は降りける 間無くぞ 雨は振りける その雪の 時なきが如 その雨の 間なきが如  隈もおちず 思ひつつぞ来し その山道を
仮名 みよしのの みみがのみねに ときなくぞ ゆきはふりける まなくぞ あめはふりける そのゆきの ときなきがごと そのあめの まなきがごと くまもおちず おもひつつぞこし そのやまみちを
参考
吉野に行幸したときの歌と言われている。(1)天智天皇の皇太子を辞して吉野に来たとき、(2)天武8年行幸のとき、(3)天皇として清御原宮にいるときに(1)を回想したとき、と言われているがどの時か定まった説はない。
耳我の嶺に:未詳
隈もおちず:曲がり角も残さず


二口解釈