巻16−3787  雑歌   作者:不詳


  
項目 内容
原文 妹之名尓 繋有桜 花開者 常哉将恋 弥年之羽尓
訓読 妹が名に 懸けたる桜 花咲かば 常にや恋ひむ いや毎年に
仮名 いもがなに かけたるさくら はなさかば つねにやこひむ いやとしのはに
参考

・その昔桜児という娘がいた。二人の壮士がいて供に桜児に求婚した。二人は命をかけて死を求めて争った。桜児は一人の女が二人の壮士に嫁ぐというのを聞いたことも見たことも無い。今は二人の壮士の心を静めることは難しい、と言って山に入り、首を括って死んでしまった。二人の壮士が嘆き悲しんで作る歌。


二口解釈
・妹と同じ名前の桜の花が咲いたらいつも恋しく思うだろうか、毎年のように


・桜花 咲けば思い出す 妹のこと