巻6−965   雑歌   作者: 娘子(児島)

  
項目 内容
原文 凡有者 左毛右毛将為乎 恐跡 振痛袖乎 忍而有香聞
訓読 凡ならば かもかもせむを 恐みと 振りたき袖を 忍びてあるかも
仮名 おほならば かもかもせむを かしこみと ふりたきそでを しのびてあるかも
参考

・旅人が京に帰るとき、見送る大宰府の官人に交じって遊行女の娘子(児島)がいた。畏れ多いとして袖を振ることを堪えていたが、旅人が馬を止めて振り返った時に、別れを悲しんで涙を拭きつつ、堪えきれずにこの歌を口ずさみながら袖を振った時の歌。

二口解釈
・ただの人なら どうともせしが 恐れ多く 振りたき袖を 堪えつつ居り


・恐れ多く 振りたき袖を 堪えたり