巻6−966   雑歌   作者: 娘子(児島)


  
項目 内容
原文 倭道者 雲隠有 雖然 余振袖乎 無礼登母布奈
訓読 大和道は 雲隠りたり 然れども わが振る袖を 無礼しと思ふな
仮名 やまとぢは くもがくりたり しかれども わがふるそでを なめしともふ
参考

・旅人が京に帰るとき、見送る大宰府の官人に交じって遊行女の娘子(児島)がいた。畏れ多いとして袖を振ることを堪えていたが、旅人が馬を止めて振り返った時に、別れを悲しんで涙を拭きつつ、堪えきれずにこの歌を口ずさみながら袖を振った時の歌。



二口解釈
・遠い帰路 畏れの多い 貴方への 我が振る袖を 無礼と思うな


・畏れ多い 人に袖振る 遠い帰路