9月の歌

今月は、秋の入口であることもあり、秋の月と夜と風と川を題材とした歌を選びました。さびしさ、人恋しさの募る季節、感慨が深まることを期待。

春日山 おして照らせる この月は 妹が庭にも 清けかりけり

(歌をクリックすると解説文を見ることが出来ます)

愛しい人の住む家の庭をも清らかに照らす月、月の明るさが目に見えるようです。

思えども 思いかねつつ あしひきの 山鳥の尾の 長きこの夜を

(歌をクリックすると解説文を見ることが出来ます)

思っても思っても思い尽くすことが出来ない長い夜、秋の夜長がと、寂しさが感じられる。

君待つと 吾が恋ひ居おれば 吾が屋戸の 簾うごかし 秋の風吹く

(歌をクリックすると解説文を見ることが出来ます)

愛しい人を待っていたら、人ではなく秋風がやってきた。人を待つ身の切ない気持ちが伝わってくる。

秋山の 樹の下がくり 逝く水の 吾こそ益さめ 御思ひよりは

(歌をクリックすると解説文を見ることが出来ます)

木の下を目に見えずに流れる水のように、あなたより私の方が多く慕っています、と言う表現には静かな強さが感じられる。

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